管理費の値上げに備える

コラム

これまで、「管理費の値上げ」という言葉は、管理会社側の管理組合に対する不満や継続した不採算などから、契約解消を覚悟して管理委託費の大幅値上げが通告され、ドタバタの結果、やむを得ず承認するもの、といったマイナスイメージが強いのではないでしょうか。

しかし、昨今の物価の上昇、保険料の上昇、賃金の上昇は、管理会社にコントロールできるものではなく、収入面の方でも駐車場使用料が契約率の低下による減収傾向があるような場合は、組合員が月々支払う管理費の値上げを真剣に検討せざるを得ない管理組合も結構でてくるのではないかと予想しています。

10年前であれば、管理会社の利益を少し減らしてもらってコスト増を吸収することは、それほど難しくなかったと思いますが、最近は管理会社の利益率も全体的に低下してきていることもあり、コスト増を吸収できる余裕はなくなってきています。

本来は、原価が上がれば値上げをするのは合理的な行動ですので、「管理費の値上げ」という言葉に必要以上に拒否反応を示さずに、管理費の値上げも一つの選択肢として検討すべき時代になってきたのではないでしょうか。

作業単価の見直しとサービスの見直し

ただし、新築以来、一度も本格的なコストの見直しをしてこなかったマンションであれば、管理業務の作業単価の見直しと、保守管理の内容を見直すことで、値上げを回避することは、十分可能だと思います。値上げどころか削減も可能な場合もあるでしょう。

<作業単価などの見直し>

見直し項目見直す内容
エレベーターの保守点検メーカー保守から独立系の保守へ
機械式駐車場の保守点検メーカー保守から独立系の保守へ
給排水設備点検・清掃複数社から見積もりを取得し契約見直し
電気契約電子ブレーカーを導入(電気契約見直し)

<サービス内容などの見直し>

見直し項目見直す内容
管理員・コンシェルジュの勤務時間時短が可能かを検討
日常清掃定期清掃のみにできる項目を検討
共用部電球LEDへの交換
植栽剪定、雑草とり素人でも可能な作業を、住民の親睦イベントを兼ねて実施
マンション総合保険補償金額の引下げ、補償内容の見直し

ここでは、これらの内容の詳しい説明は省きますが、管理費の見直しが初めてのマンションなら、本格的にこれらの項目を見直しますと、少なくとも10%、多い場合で20%を超える管理費の削減が見込めますので、一度マンション管理士に相談してみることをお勧めします。

<管理組合応援団 団長>

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