EV充電器の設置を要望されたら?

駐車場関連

世の中は、電気自動車(EV)普及へ大きく動いていますが、普及のネックのひとつと言われているのが、既存マンションのEV充電器の設置です。

EVがまだ普及していない段階で、総会決議が必要なEV用の充電設備を設置することを、現状大多数を占めるEVを所有していない区分所有者から賛同を得るのは簡単ではありません。
また、物理的に充電器をどこに設置できるのか、現状最適の対応策は、将来EV率が高まったときに不都合はないか、など悩ましい問題が多々あります。

それでも、多くの管理組合が遠くない将来に向き合わなければならない課題ですので、現時点における解決策を考えていきたいと思います。

普通充電器と急速充電器は、どちらを導入すべき?

普通充電器は、ゼロからフル充電に5時間程度かかるのに対し、急速充電器は、数十分で8割充電ができる充電器です。

結論から先に申し上げると、マンションでは急速充電器で管理組合負担を発生させないようなプランニングは難しいので、EV普及率が相当高くならない限りは、急速充電器の導入は難しいと思います。

電気契約初期工事費
(補助前)
充電器価格
(補助前)
耐用年数ランニングコスト
(使用電力を除く)
急速充電器高圧数百万円数百万円約8年保守点検年数十万円
電気料金の増(※)
普通充電器低圧でも可40~100万円数十万円約8年年間数万円
コンセント低圧でも可40~100万円数千円
※高圧電気契約の基本料金は、最大使用電力量によって設定されるので、急速充電器を設置すると、共用部分の基本料金の設定が切りあがる可能性がある。

2022年4月現在では、国と地方自治体の補助を使うと、機器費用を含めた導入費用の管理組合の実質負担は、普通充電器で10~50万円程度まで抑えることができそうですが、急速充電器ではそれでも100~300万円程度は管理組合負担となりそうです。
また、普通充電器は、リース型のサービスもでてきていますので、導入費用が本当にゼロの場合もあるようです。

マンションで検討するべきは、普通充電器か急速充電器かではなく、上表にも記載しましたが、普通充電器かコンセントかの選択だと思います。

普通充電器とコンセントの違いは、維持費を含めた価格の違いです。
コンセントは圧倒的に安価であるのに対して、普通充電器は、充電速度で倍速のタイプが主流になっています。また、コンセントはケーブルがついていないので、EV車に装備されているケーブルを自分でつなぐひと手間があります。

どこに充電器を設置すべき?

充電ステーションのように、住民がひとつもしくは少数の充電器を共有して利用する場合は、平置きの駐車区画の一部を、充電ステーション専用区画にします。
倍速の普通充電器を想定すると、充電ステーションの場合は、ひとりの利用者が占領しないように、例えば3時間ごとに区切って夜間以外は連続利用を不可にする、などの運用上の工夫が必要です。

一定の区画を、区画の契約者専用の充電器とする設置方法の場合は、平置き区画ならほぼ障害はないといえます。区画契約者専用ですから、充電時間は十分に確保できますのでコンセントタイプが適切でしょう。
機械式駐車場しかないマンションの場合は、機器の後付けは地上階より上のパレットのみとするメーカーもあるようです。いずれは、地下のパレットでも機器を付けられるようになるとは思いますが、現状はメーカーに確認が必要ですね。

※2022年6月更新「機械式駐車場にEV充電器は設置できる?」もご覧ください。

区画契約者専用の場合は、その区画がEV車の所有者に優先的に割り当てる新しいルールの導入が必要になります。現状の契約者の入れ替えが必要なら、例えば5年間の移行期間を設けるなど、少し長いスパンで導入を考えた方がよいでしょう。

どこに頼めばいいの?

現状は、ベンチャー企業が積極的に市場を開拓しています。

ユアスタンド現状マンション向けでは業界トップランナー。
コンセントタイプと普通充電器タイプがあり、機器買取型。
少額だが月額手数料がかかる。
Terra Chargeオリジナルコンセントを導入費・維持費ゼロでキャンペーン中(2022年4月現在)。機器リース型。
利用差益が事業者の収入となるので、管理組合負担はゼロ(収入もゼロ)。
エネチェンジ普通充電器リースタイプ。充電ステーション型が基本。
機器リースなので月額使用料は高めだが、利用差益で管理組合負担を抑制。
WeCharge基本はコンセントタイプ。機器買取型だが、利用差益は事業者の収入となる。ピークコントロールが可能なスマート分電盤により、理論的には何台でも設置が可能。
大京と提携し、今後大京の新築マンションにはWeChargeの充電器が標準装備される。
※各社の特徴は、2022年4月現在の団長調べ(2022年8月追記)

各社とも、マンションの管理組合の合意形成や面倒な補助金申請をサポートしてくれるようです。
リースタイプは、そもそも管理組合で補助金を申請する必要のない商品設計にしているところもあります。

管理組合の負担ゼロのサービスのTerra Chargeは、「EV充電設備、導入費と維持費をゼロにできる?」で詳しく紹介しています。

現状は、新築マンションでも充電器を初期設定で設置しているマンションは数%にとどまっているそうですが、今後は新築にはついているのが当然という時代がくるかもしれません。そのときは、既存のマンションも充電設備がないことがマイナス評価につながりますので、今から充電設備導入に向けて検討を始めてもよいのではないかと思います。

<管理組合応援団 団長>

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