管理計画認定制度の具体的な手続きは?

コラム

いよいよ管理計画認定制度がスタートしました。
制度の概要については、「管理計画認定制度って何?」をご覧ください。

2022年4月現在、自治体の方では、まだ申請を受け付ける準備が整っていないところも多そうですので、様子を見ながらのスタートとなりそうです。

ただし、申請するには、総会決議が必要であるとされていますので、次回の総会で議案にすることを想定して準備を始めておいて損はないと思います。
といいますのは、申請を促進するために、お金がかかるプロセスの一部が令和4年度は無料になっているで、「あの時申請しておけばこのプロセスは無料だったのに」と後の理事会から指摘されないように、プロセスの理解は進めておきましょう。

自治体に申請する前のステップ

自治体に管理組合が自力で直接自治体に申請することもできますが、ほとんどの管理組合はマンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を利用してお墨付きをもらったうえで自治体に申請するフローを選択するのではないかと思います。

このステップに必要な費用は、マンション管理センターのシステム利用料と、事前審査の手数料になりますが、システム利用料は1万円で、事前審査については、どの団体も令和4年度は無料のようです(付き合いのあるマンション管理士に事前審査を依頼する場合は、その手数料は個別交渉となります)。

そして、マンション管理センターの支援サービスの申請手続きも、管理会社か日本マンション管理士会連合会がそれぞれが推進する評価制度の申請とセットで引き受けるパターンがあります。
おそらく管理会社はフロントマンに対して号令をかけると思いますので、理事会などで管理会社から説明を受けて、彼らに委託するケースが多くなるのではないかと予想しています。以下にマンション管理業協会が説明しているフローチャートを掲載します。

管理組合が、管理会社(管理業協会)が推進する「マンション管理適正評価制度」も別途費用が掛かりますので、今は必要ないと判断した場合は、管理会社に頼まずに、管理組合が、直接マンション管理センターに依頼することもできます。

自己チェックで感触はつかめるもの?

5つのカテゴリーのうち、4番目の長期修繕計画のところ以外の項目は、管理組合の理事の方でしたら、ある程度感触はつかめると思います。

管理組合の運営
管理者等が定められていること
監事が選任されていること
集会が年1回以上開催されていること
管理規約
管理規約が作成されていること
マンションの適切な管理のため、管理規約において災害等の緊急時や管理上必要なときの専有部の立ち入り、修繕等の履歴情報の管理等について定められていること
マンションの管理状況に係る情報取得の円滑化のため、管理規約において、管理組合の財務・管理に関する情報の書面の交付(又は電磁的方法による提供)について定められていること
管理組合の経理
管理費及び修繕積立金等について明確に区分して経理が行われていること
修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと
直前の事業年度の終了の日時点における修繕積立金の3ヵ月以上の滞納額が全体の1割以内であること
長期修繕計画の作成及び見直し等(小項目は後述)
その他
管理組合がマンションの区分所有者等への平常時における連絡に加え、災害等の緊急時に迅速な対応を行うため、組合員名簿、居住者名簿を備えているとともに、1年に1回以上は内容の確認を行っていること
都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること

2-②は、単棟型マンション標準管理規約の第23条(必要箇所への立ち入り)及び同第32条6項(業務)に相当する内容が定められているか、2-③は、同第64条3項(帳票類等の作成、保管)に相当する内容が定められているかということです。

以上の項目で、引っ掛かるものがあるようでしたら、まずそれをクリアすることから始めましょう。

長期修繕計画はどんな項目?

この項目は、専門家にみてもらった方がよいと思いますが、意識の高い理事の方向けにその項目の内容も掲載しておきます。

長期修繕計画の作成及び見直し等
長期修繕計画が「長期修繕計画標準様式」に準拠し作成され、長期修繕計画の内容及びこれに基づき算定された修繕積立金額について集会にて決議されていること
長期修繕計画の作成又は見直しが7年以内に行われていること
長期修繕計画の実効性を確保するため、計画期間が30年以上で、かつ、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれるように設定されていること
長期修繕計画において一時的な修繕積立金の徴収を予定していないこと
長期修繕計画の計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと
長期修繕計画の計画期間の最終年度において、借入金の残高のない長期修繕計画となっていること

①については、文面だけみると、ちょっと手に負えないように感じるかもしれませんが、少なくとも7年以内に専門家が監修して長期修繕計画を更新していたとしたら、多くの場合クリアできているはずです。

⑤については、「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」に、計算方法とレンジが示されていますので、その計算値がレンジの下限を下回っていないかを確認します。

長期修繕計画はいわばマンションの長期的な方針が盛り込まれているものです。しっかり合意形成をして策定した長期修繕計画が、この管理計画認定制度の基準に合わなかったとしたときに、どうすべきでしょうか。

団長としては、この基準に合わせることが、すべての管理組合にとって「ただひとつの正解」ではないと考えています。管理組合の方針と違うのに、無理に基準に合わせなければならないほど、現状は認定を受けるメリットは大きくありません。
ただし、これまで議論していなかった項目が、認定の基準に合っていなかったとしたら、その項目について改めて議論することは、とても有意義だと思います。

このような評価制度をつくることには大賛成です。これによって、管理組合の中で長期的な方針が議論されるきっかけになるとしたら、それだけでも価値のあることだと思います。

<管理組合応援団 団長>

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