総会で何を決めるの?

新任理事の心得

年に1度の定時総会。どんなことを決めているのでしょうか?

お決まりの決議事項は?

ほとんどの定時総会で決議 or 報告されることは以下の通りです。

  • 第〇期 事業報告および収支決算
  • 管理委託契約の更新 or 新規契約
  • 第△期 事業計画案および収支予算案
  • 第△期 役員選任

まず、事業報告では、その期に取り組んだ修繕やもめごとの解決、理事会(=管理組合)主催のイベントなど。
収支決算は、予算と実績の差が大きかったところを中心に、その要因等を説明します。
管理費会計と修繕積立金会計をそれぞれ説明しますが、支出項目の多い管理費会計が説明の中心になることが多いです。そして、収支の結果としての貸借対照表や、積立金残高を説明し、長期修繕計画に照らして将来の不足が明白な場合は、修繕積立金の変更(増額)案が議案となります。

そして、管理委託契約の更新 or 新規契約です。管理会社の日頃の対応に不満を持っている方は、この議案に対する質問・ご意見の時間を狙っています。総会の場では、普段汗をかいてくれている理事会メンバーを責め立てるのは躊躇する人も、管理会社に対しては遠慮はありません。
そうした意見が日ごろから寄せられている場合、もし同条件で管理委託契約を継続しようとするなら、「管理会社には、○○の対応を改善させることを確認しました」などと、理事会も問題意識をもって取り組んでいるという姿勢を示しておくと、会の紛糾を避けられる(かもしれません)。
もし、管理会社を変更するような場合は、十分な意見収集と議論を経て、専門家にもコンサルテーションしてもらって入札を実施して変更するという一大イベントになります。総会の運営は管理会社に任せるのが一般的ですが、この議案だけは管理会社に任せるわけにはいきませんので、臨時総会の招集から実施までを理事会メンバーが独力で頑張らなければなりません。

次の、次期計画案と収支予算案こそ、1年間の理事会の集大成といえます。新しいことにチャレンジするための議論を重ね準備を整えて、ここで賛否を諮るのです。無事承認を得た施策は、次期理事会にその実施を託すことになります。

そして、役員の選任です。理事と監事を選任します。よく理事長は総会で選任されるものと勘違いされることがありますが、理事長は、総会で選任された理事による初回の「理事会」で選任されます。
次期理事長が総会で決意表明などすると格好がつくのですが、総会後の理事会で決められ、その結果が後から通知されるという手順ですので、その通知を見逃した人は、1年後の定時総会で初めて誰が理事長だったかを知る、などということが普通に起こります。
このような手順の不都合を、運用で工夫して、「総会後の理事会で正式決定されますが、、、」という前置きをして、総会で次期理事長”候補”が挨拶をするマンションもありますね。
組合員が年に一度顔を合わせる貴重な場をフル活用するためにも、法律・規約を守りながら、柔軟な運用をしていけたらよいですね!

他にはどんな議案があるの?

前述のお決まりの決議事項の他、以下のような事項が標準管理規約には例示されています。

  • 管理費(修繕積立金)等の変更
  • 規約、細則の制定、変更、廃止
  • 長期修繕計画の作成、変更
  • 修繕積立金の取り崩し、借入
  • 修繕積立金の保管、運用方法の変更
  • 共用部分の管理、変更、滅失した場合の復旧
  • 建て替え、敷地売却
  • 共同の利益に反する行為をする者に対する訴訟の提起
  • 管理組合の法人化、解散
  • その他管理組合の業務に関する重要事項

この他、お金がかかることは、予算の承認が必要になります。予算は細かく区分されていて、予算項目間で融通することができませんので、基本的に何か新しいことを決めようとするときは、総会の承認が必要になるのです。

議案は多数決で決まるの?

議案によって、可決に必要な定数が変わるのがマンションの総会の特徴的なところです。

通常の議案(普通決議といいます)は、総会の出席者の議決権の過半数の賛成で可決します。
総会は、委任状・事前投票含めて議決権を過半数以上もつ組合員の出席で成立しますので、定足数ギリギリの出席で開催された総会では、実質的に議決権総数の4分の1以上の賛成で可決てしまうことになります。

これに対して、重要な議案(特別決議といいます)はハードルがぐっと上がります。総会の出欠に関係なく、組合員数と議決権総数の4分の3以上の賛成が必要になります。特別決議事項は以下の通りです。

  • 共用部分の重大な変更(※小規模な変更は普通決議)
  • 規約の制定、変更、廃止(※細則の制定、変更、廃止は普通決議)
  • 共同の利益に反する行為をする者に対する訴訟の提起
  • 管理組合の法人化、解散
  • 大規模滅失の復旧(※一部滅失の復旧は普通決議)
  • 建て替え、敷地売却(※必要な賛成は5分の4以上)

この中で、議題となる頻度が高い項目は、「規約の制定、変更、廃止」です。
ほとんどのマンションは国土交通省が提示する「マンション標準管理規約」に倣って管理規約を策定していますが、この標準管理規約は、かなりの頻度で改定がなされています。その改定は時代背景や判例などがありますので、標準管理規約の改定に倣った変更であれば、スムーズに可決されることが多いでしょう。しかし、そうではない場合、必ず反対者がいると考えた方がよいです。

一定の反対意見が想定される議案を、総会議案として準備される際には、事前アンケートなどを行い、反対意見に対して丁寧に説明を行うなどして関心を高め、議案の決議への参加率を上げた上で、「中立」の人たちに賛成してもらうことを目指すのがよいでしょう。

反対する住民がいる中で、同じ住民が賛成多数で物事を決めていくことは、気が引けることだと思いますが、様々な考えをもった人たちが、同じ場所を共有して生活する上では必要なことです。
むしろ、意見の分かれる事案を避けることなく、オープンに意見を出し合って最終的に総会で決めていくマンションは、住民のマンション管理に対する意識が高く、管理状態が良好に保たれているケースが多いと思います。

総会の後は、ノーサイドの気持ちで、反対された方とも親睦を深めていく場などあればよいですね。

動議ってできるの?

マンションの総会では、議案となる事項を事前の招集通知に記載しなければなりません。重要な議題については、その要領も事前に配布して、じっくり検討しておいてもらいます。
ですから、事前に通知した議題に関係のない動議はできません。しかし、議題に沿った内容(例えば議案に多少の修正を加えるなど)で普通決議事項であれば動議が認められる場合もあります。

実際に動議の提案があった時には、理事の方々だけで判断するのは簡単ではないと思います。役員の選任議案で招集通知の候補リストにない人を役員に選任する修正動議を認めなかったことで、総会決議が無効となった判例があります。ケースバイケースで判断されるものですから、陪席している管理会社の担当者や顧問契約をしているマンション管理士などの専門家に助言をもらうのがよいと思います。

そんな動議の場に出くわすことはめったにありませんが、総会への参加のメリットはそれだけでなく、1年間頑張ってこられた理事の方々による事業報告は聞きごたえがありますし、各議案に対して、住民から意見が交わされることも多く、それを聞くだけでも価値はあると思います。年に1回の総会は、カレンダーに二重丸を付けて、是非ご参加ください。
定時総会の出席率とマンションの管理状況は正比例するといわれています。あなたの一票が、マンションを変えることができるのです!

<管理組合応援団 団長>