管理員さんとフロントマンの役割の違いは?

新任理事の心得

意外に混同されがちなのが、管理員さんとフロントマンです。どちらも管理会社の社員ですが、立場がまったく違いますので、まずそれを理解しましょう。

管理員さんの役割は?

普段、住民の皆さんが接しているのは、常駐する管理員さんです。「管理人さん」と呼ばれることが多いかもしれません。マンション生活でのトラブルや悩み事、お願い事を管理員さんに相談していると思います。共有施設の利用の申し込みや、専有部分のリフォーム申請、売却や賃貸開始などの届け出を受け付けます。
また、マンションの内外を巡回して修繕や掃除が必要な箇所のチェックや、ルールを守っていない住民への声かけなどをしています。引越し業者や点検業者、ごみ収集業者などと、作業車両の停車位置や養生ルールの確認などをして立ち合うのも業務のひとつです。

管理員さんは、住民からの相談事やマンションを巡回して気が付いたことについて、フロントマンに報告をします。つまり、フロントマンは管理員さんの上司ということになります。大抵の場合は上司であるフロントマンの方が若いので、やりとりを見て違和感を感じることがありますよね。

管理員さんの業務は、業務時間中は、多少ゆとりをもって作業できる一方で拘束時間はそれなりに長いので専業でないと難しく、時給1200~1600円/月収16~23万円という給与水準ということもあり、サラリーマンを定年退職された方が、引退後の仕事として選ばれるケースが多いようです。
また、管理員さんの契約形態は、管理会社の契約社員あるいは嘱託社員であるケースが多いようです。

フロントマンの役割は?

フロントマンは、理事会メンバーや理事長との打ち合わせは多いのですが、住民の皆さんと顔を合わせる機会は年に一度の総会くらいなので、組合の役員になってみて初めてフロントマンの役割を知る人も多いと思います。
フロントマンは管理会社の正社員で、担当する管理組合の「事務管理業務」を担っています。管理組合が管理会社と締結している「管理委託契約」は、お手元にあるでしょうか?

  • 事務管理業務
  • 管理員業務
  • 清掃業務(管理員業務に含まれる場合あり)
  • 建物・設備管理業務(管理員業務に含まれる場合あり)
  • (設置している場合は)コンシェルジュ業務

などが委託する業務として記載されていると思います。

このうち、「事務管理業務」がフロントマンが主に活躍するところです。事務管理業務は、出納業務や会計業務、共有部分の修繕計画の提案と実施、総会議案の原案作成や運営、理事会運営のサポートをします。管理費などの滞納者への督促(初期対応)も重要な役割です。
また、管理員業務や清掃業務を含むその他の業務の監督をする役割ですので、管理員さんや清掃などの対応に不満がある場合の申し出先は、フロントマンになります。

よく管理会社=管理員と勘違いされる方は多いのですが、実態は管理会社=フロントマンなのです。

フロントマンの対応に不満があった場合にはどうするか

管理員さんや清掃業務の不満はフロントマンに相談するわけですが、フロントマンに不満があった場合は、フロントマンの上司に相談をして、場合によっては担当を変えてもらうこともあります。
ただし、フロントマンの動きが鈍い理由は、フロントマンの個人的資質だけではなく、会社の業務指示に原因があったり、管理組合側の要求が過剰であるケースもありますので、客観的な視点が必要です。
フロントマンが担当する管理組合の数は、10以下が望ましいと言われますが、1人で10~15の管理組合を担当しているケースは珍しくありません。あまり担当数が多いと、個々の管理組合への対応も鈍くなりがちになります。
客観的に見てもフロントマンの対応が悪く、改善が見込めない場合は、委託する管理会社の変更を検討することになりますが、それについては、xxxxの記事で解説します。

<管理組合応援団 団長>

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