管理組合の年間スケジュールは?

新任理事の心得

マンションの管理組合の役員に初めて就任する人は、1年間どんなスケジュールになるのか、まず知っておきたいですよね。

総会で役員に就任した時は、すでに2か月担当する「期」が進んでいます。次期事業計画を実施する期間は、残り10か月。そして次の定時総会の2か月前には、次の総会に諮るの議案を固める段階になっていますので、直近の総会で決まった事業計画を実施するのと並行して、次の定時総会に向けた準備をしなければなりません。もし特別決議を必要とする議案を予定しているなら、事前の住民アンケートや事前の説明会など、早い段階から準備が必要になりますので、最初に理事全員で1年間のスケジュールをすり合わせておくことは、とても大切だと思います。

定例の年間スケジュールは?

特に検討すべき課題もなく定例の議案だけの予定の場合、以下のようなスケジュールになります。
期の決算月は、各マンションでバラバラですので、仮に3月末が決算月、5月定時総会のマンションで作成してみました。

行事、業務
5月定時総会、新任役員選任、理事役職担務決定
6月理事会引継ぎ、年間スケジュール確認
7月
8月*(夏祭り)
9月防災訓練(時期はマンションによる)
10月*(ハロウィーン)
11月
12月*(クリスマス会)
1月*(餅つき大会)
2月
3月決算月、次期総会議案検討
4月次期総会議案決定
5月定時総会
*()のイベントについては一例ですが、自治会(町内会)が主催しているところもあります。小規模マンションであれば、管理組合主催のイベントは防災訓練のみも普通です。逆に大規模マンションでは、恒常的に何かしらのイベントが催されているマンションもあります。

これらは、定例のスケジュールになりますが、これに加えて、期中に実施すべきこと、検討すべきことがある場合は次のようなスケジュールになります。

実施すべき案件と総会に諮るべき案件がある場合は?

通常議案の他に、前期の理事会が総会に諮り、決議された案件(A)があれば、今期の理事会がその案件(A)を実施しなければなりません。
また、今期の理事会が問題意識をもって、検討して次期総会に諮る案件(B)があれば、その検討・準備をしなければなりません。

例として(A)を機械式駐車場の平面化工事、(B)を共用施設の使用細則の変更とすると、以下のようなスケジュールになります。

(A)機械式駐車場の平面化工事(B)共用施設の使用細則の変更
5月総会で(A)を承認
6月前理事会から(A)の実施計画引継ぎ
複数の施工会社に相見積もりを実施
7月各見積もりを検討し、工事発注先の決定
決定結果と工事計画を住民に案内
8月駐車場契約者に連絡、工事期間調整
9月工事期間決定
住民に案内・近隣住民に説明
10月理事メンバーのが、(B)について
問題提起
11月工事実施(B)について、理事会で議論し、
総会に諮る前提で準備開始
12月実施結果報告、問題があれば対応検討住民アンケートの内容決定
住民アンケート配布
1月住民アンケート結果の確認
2月使用細則の変更の方向性確認
3月使用細則の変更原案作成
(必要なら)弁護士確認
4月工事実施報告作成使用細則の変更案確定
総会議案作成
5月総会で報告総会で決議

いかがでしょうか?結構やることありますよね?そして、これに日々の住人からの相談事や近隣住民・自治体との折衝などが加わってきますので、なかなか当初のスケジュール通りにいかないのもです。
また、アンケートだけでは不十分であれば、住民向け事前説明会を実施した方がよいこともあるでしょう。

管理組合が取り組みたい案件や検討したい案件を適切にプロセス化してスケジュール管理をしていくのは、管理会社(フロントマン)の手腕によるのですが、その対応に不満を聞くことも多くあります。
そのようなときは、マンション管理士などの専門家に相談することをお勧めします。

<管理組合応援団 団長>

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