マンションは戸建てと何が違う?

マンション購入の前に

マイホーム購入を検討する際、多くの人が一度は迷う「戸建てorマンション」ですが、マンションを買おうとしている人も、買った人も、もう一度戸建てとマンションの違いを整理してみましょう。

「区分所有」と「共有」の違いについて

マンションの購入者は「区分所有者」になります。
ひとつの建物の複数に区画された部屋を、別々の人が所有する形態を「区分所有」といいます。これと似た形態で、複数の人がひとつの目的物を所有する「共有」がありますが、民法上の共有についての法律では、いろいろと不都合があることから、特別法として「区分所有法」が制定されました。

その区分所有法の特徴的なところは、

  • 区分所有者は管理組合の組合員となる
  • 専有部分と共用部分が定められる
  • 専有部分は通常の単独所有と同じような権利を認め、敷地や共用部分は複数で共有する
  • 共用部分に関する様々な取り決めを「全員同意」ではなく、一定数の賛成で可決できる
  • 但し書きで、規約を優先させる条文が多い
  • 義務違反者に対する措置

つまりマンションの購入者は、専有部分を戸建てと同じように単独所有すると同時に、敷地と共用部分を複数の住民で共有することになります。そして管理組合の一員となり義務と権利が発生します。

区分所有者の権利と義務って何?

専有部分を自分の好みにリフォームしたり、売却したり、人に貸したりする権利は、戸建てを所有している場合とほとんど変わりません。
マンションは、ひとつの敷地を複数の人で共有して共同で建物を建てるので、規模の経済が働き、堅牢な建物を建てられたり、管理の一部を外部に委託したり、住民だけの共用施設を利用できたりするメリットがありますが、敷地と建物・設備を共有しますので、その理事会や総会に参加し、皆で決めたルールを守る義務があるのです。

マンションの管理は、理事会がやってくれる、管理会社がやってくれるといった他人任せの考えではなく、区分所有者一人ひとりがマンションの管理を自分ゴト化して、管理組合の活動にも積極的に参加しているマンションは、管理状態が良好なだけでなく、良いコミュニティが形成され、良い住み心地につながり、資産価値を長く保つことができるのだと思います。

戸建てと比較したマンションのメリット・デメリットは?

「義務や権利の違い」はこれまで解説しましたが、その他の違いを考えますと、以下のような項目があげられます。

分類項目マンション戸建て
安全性セキュリティ
資産性耐久性管理によっては100年以上一般に30-50年
資産性売却しやすさ△(更地にすれば容易)
維持管理敷地・建物管理毎月費用を払って委託自分で管理
維持管理修繕毎月積立し、計画修繕自分で計画・点検、修繕費は都度払い
建物の特徴戸境壁・床を境に接している独立している
建物の特徴間取り画一的新築なら無限のバリエーション
建物の特徴共用施設あり無し
その他駐車場別途費用がかかる無料
※それぞれ平均的な特徴を記載していますが、その特徴があてはまらないマンションや戸建てもあります。

これらの違いをメリットと感じるか、デメリットと感じるか、あるいは気にしないかは、ひとそれぞれの考え方で違いますね。

<管理組合応援団 団長>