コロナ禍において、オンライン会議は瞬く間に社会に浸透しました。会社でオンライン会議に慣れた理事から、理事会もオンラインでやりましょう!という提案があったとき、何を準備すればよいのでしょうか?
オンライン(WEB)会議で理事会や総会を実施する場合の規約や法律面の留意点などについては、「総会や理事会をWEB会議で実施できる?」の記事で紹介しました。
ここでは、実際に始めるなら何が必要かについて解説します。
WEB会議システムは何がよい?
2022年2月時点で、メジャーなWEB会議システムは、以下の4つです。
理事会で必要な基本的機能は、これらのWEB会議システムでしたら、どれを選んでも大丈夫でしょう。
無料版もありますが、会議時間に制限があるものがほとんどですので、理事メンバーが一番使い慣れたWEB会議システムの一番安いプラン(1ライセンス年間数万円程度)で始めるのがよいでしょう。
管理会社がホストになって無料で利用させてくれるものがあれば、それを使わせてもらいましょう。
一番安いプランであれば、管理組合の予備費や理事会運営費などの予算内に収まるのではないでしょうか。
理事会メンバーが使い慣れてきますと、
- 録画機能
- ストレージ利用
- トランスクリプション(議事録)
- ウェビナー機能
などをどうするかでアップグレードを検討したらよいと思います。
ライセンスは必ずしも理事全員分を取得する必要はありません。1アカウントあれば、その他の理事会メンバーは、ゲストアカウントでオンラインに招待できますが、理事長とオンライン会議に慣れたもう1名の2アカウントあれば、バックアップ体制もつくれますのでお勧めです。
理事メンバーはどんな機器を用意すればいい?
これらのソフトウェアはスマホでも参加できますが、理事会では資料を読むことも多いと思いますので、できるだけタブレットかPCで参加されることをお勧めします。デバイスにWEBカメラがついていれば自分の顔を映して参加することができます。
理事の皆さんがお勤めの会社から貸与されたデバイスでは、セキュリティ上利用できない場合もあると思いますので、管理組合がタブレットを貸し出すということも検討されるとよいと思います。1台月額数千円でiPadなどのタブレットがリースできると思います。
リアル会議とのハイブリッドでやる場合は何が必要?
実際には、1つの場所に数人が集まり、何人かはリモートで参加する、というケースがもっとも多いのではないでしょうか。普段PCやタブレットを触らない人にとっては、やはりリアル会場があると安心です。
その場合、リアルの会議室に必須のものは、会議のホストのPCの他に、WiFi環境とスピーカーフォンです。
これにリアル会議室に参加する全員が視認できるような大きさのモニター、全員を映せるWEBカメラがあれば完璧です。
モニターについてはそれなりの値段がしますので、用意出来なければリアル会場の参加者が各自のPCかタブレットを持ち込むと、オンライン参加者を含めお互いの顔を見ながら会議をすることができます。
モニターやスピーカーフォン、WEBカメラをPCにつなぐ場合、PC側のポートにそれらのケーブルをつなぐことができるかを確認しておきましょう。
今市販されているものは、モニターはHDMI、スピーカーフォンとWEBカメラはUSBかUSB Type-C でPCと接続するものが多いと思います。
リハーサルは必要?
ほとんどの場合、初回だけで済むと思いますが、デバイスの準備が出来たら、実際の理事会の一週間くらい前に、リハーサルをしましょう。
管理組合がリースしたデバイスを利用する場合、電源を入れてWiFiをセットし、アプリを起動して(もしくはWEBブラウザから)ログインするところまでたどり着けない場合もあると思いますので、不慣れな理事がいる場合は、リハーサルでは操作に慣れた理事と同室で試してみると安心ですね。
リアル会場のリハーサルは、会場の都合もあると思いますので、理事メンバーとのリハーサルとは別の機会でも構いません。リアル会場のリハーサルは、PCと周辺機器の接続テストがメインになります。
モニターに映す場合、PCの表示設定で、拡張、複製、セカンドスクリーンのみなど選択できると思いますが、使い慣れていない場合は、複製を選択しておくと操作に迷わないと思います。
スピーカーフォンとWEBカメラは、WEB会議システムの中で設定します。マイクとスピーカーを接続したスピーカーフォンに設定し、ビデオ設定を接続したWEBカメラに設定します。
多くのデバイスは、周辺機器を接続すれば、接続した機器を自動で優先するようになっていると思いますが、トラブル時に慌てないように、一度は操作を確認しておくとよいでしょう。
リアル会場に複数台のPCやタブレットを持ち込む場合は、ホスト以外のデバイスは、必ずスピーカーはオフにして、マイクはミュートにしましょう。
会議では、ひとつのスピーカーフォンを全員で使うようにしないと、ハウリングを起こしてしまいます。
それから、PCは電源コードを忘れないようにしましょう。長時間の理事会は、PCのバッテリーでは持たない場合がありますので。
あとは、思い切って始めてみるだけです!
マイクのミュートと会議の入退室の操作だけ注意すれば、あとはやっているうちに慣れてくると思います。
オンライン会議は、個々の通信環境やデバイスの性能に影響されますので、音声が途切れたり、フリーズしたり、つながらなくなることがありますので、そうなったときの対応は事前に決めておきましょう。
いかがでしたか?この記事がコロナ禍での理事会運営に少しでもお役に立てたら嬉しいです。
<管理組合応援団 団長>